武庫川女子大学国際健康開発研究所と京都大学人間・環境学研究学科は、調理器具や調理方法(無水調理)の工夫によって、効率よく野菜の栄養素を摂取することが人体にどのような影響を及ぼすかの共同研究を実施しました。その結果、野菜をビタクラフトの全面多層構造鍋で無水調理をすれば、一般的な鍋で調理したものより、ビタミンやカリウムの吸収を促進することがわかりました。そのため投薬では得られない動脈硬化など生活習慣病の主な原因といわれている酸化LDL※を減少させることが科学的に証明されました。
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野菜の積極的な摂取が生活習慣病のリスクを軽減するといわれており、厚生労働省も成人一人あたり1日350g以上の野菜の摂取を推奨しています。
とはいえ、サラダのように生で簡単に食べる方法では体積が大きいため充分な量を食べるのは難しく、かといって、煮炊き物のような調理をすれば野菜の栄養素は失われてしまう…。
この問題を、簡単かつ栄養素を失わないビタクラフトの全面多層構造鍋を使用した無水調理が解決しました。 -
ビタクラフトの全面多層構造鍋だから実現した「無水調理」が、1日350g以上の野菜を摂取するという条件を容易にしました。
無水調理は野菜が本来もっている栄養素を損ないません。煮炊き物のような通常の調理をすれば水に溶け出してしまう野菜の栄養流失を防ぎます。
また、無水調理という面だけでなく、優れた熱効率により短時間で調理できます。このことから、熱に弱い野菜の栄養損失も防ぎ、野菜の栄養素を効率的に摂取することが可能となり、今回の研究結果の実現に辿り着くことができました。
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健康のために野菜を多く食べたほうが良いというのはわかっていても、なかなか生野菜では思ったほど量が食べることができません。しかし、通常の調理方法で野菜を煮ると、水に溶けやすく熱に弱い野菜の栄養素は失われてしまっていることも事実です。
そこで今回の共同研究では、単に野菜を多く摂取するだけでなく、調理器具や調理方法(無水調理)の工夫によって、効率よく野菜の栄養素を摂取することで、人体にとってどのような効果を及ぼすかについて検証しました。 -
検証の方法としては、食生活の偏りがちな1人暮らしの大学生を対象に、異なる調理器具や調理方法(無水調理)で一定期間自炊により積極的に野菜を摂取してもらうことで、栄養の吸収に違いがあるか検討しました。
大学にて説明会を実施し、同意が得られた参加希望者に対して、以下の3グループで比較検証をおこないました。-
ビタクラフトの全面多層構造鍋を使用し、無水調理をする。1日あたり野菜350gを摂取。
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一般的な鍋を使用し、通常の調理をする。1日あたり野菜350gを摂取。
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今までと変わらない、通常の生活をする。
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実施方法としては、A群、B群には規定通り毎日野菜を350g食べられるように、野菜を配布し、食事前には必ず食事内容の写真を取っていただきました。
また、全員に対して介入試験前後に、身体測定、血液検査、24時間尿検査を実施し、ビタミン、カリウム、βカロテン等の数値を測定しました。 -
これらの検証結果として、A群、B群では野菜の効果として血中のビタミンCとβカロテンが増加しました。さらにA群のみ無水調理・短時間調理の効果から、尿中カリウムが有意に増加しました。そのため投薬では得られない動脈硬化など生活習慣病の主な原因といわれている酸化LDL※平均値が17.1%も減少するという驚くべき結果になりました。
※酸化LDLとは…
悪玉コレステロール(LDL)が活性酸素で酸化されたもの。生活習慣病の主要因といわれ、世界中で減少させるための研究が行われている。
実験結果の論文をご覧になりたい方は、下記のURLにアクセスしてください。
論文アクセスHP(英語サイト)
2011年10月6日に帝国ホテル東京で、ビタクラフトジャパン株式会社と武庫川女子大学国際結構開発研究所は共同記者発表会を開催しました。